
引用元:2015年10月7日 中日新聞
私立高校の入学者数が二〇一〇年度から六年連続で募集定員を二千人以上下回っていることが、県などのまとめで分かった。定員充足率はこの間、90%前後で推移し、公立高校の99%超と比べて極端に低い。90%と全国で最低水準の高校進学率(公私立の全日制)につながっているとの見方もあり、六日の県議会文教委員会で対策を求める意見が出た。
県内では公私立高校設置者会議が進路希望調査の結果を踏まえ、全日制の計画進学率を93%、公私立の定員配分比率を二対一と設定。生徒数は一九八八(昭和六十三)年をピークに減少傾向にあるが、計画進学率は九七年度入試以来、定員配分比率は八二年度入試以来、変わっていない。
定員配分比率をめぐっては、県の有識者会議が八一年に「急増急減期を通しておおむね二対一の比率が望ましい」と提言。関係者によると、背景には生徒数が急増していた昭和五十年代に公立高校の整備が追いつかず、私立側に受け入れを求めた「公私協調」の経緯がある。
一方、私立高の募集定員から入学者数を引いた欠員数は、二〇〇九年度入試の千六百九十八人(充足率92・1%)から、一四年度入試では二千三百四十七人(同89・8%)まで拡大。その年度の入試では十二月時点で中学卒業予定者の92・6%が全日制高校への進学を希望したのに実際は90%しか進学できなかった。
文教委で民主の富田昭雄議員(名東区)が「定員配分比率を見直すか、私立高に多く合格させてもらう必要があるのではないか」とただした。
設置者会議の構成員でもある野村道朗教育長は、私立高の欠員の高止まり傾向を認め、「成績の良い生徒を取りたいという経営上の思いがある」との見方を示した。その上で、「私立高にもっと受け入れてほしい」と答弁。しかし、具体策には言及せず、定員配分比率についても「これまでの経緯もあり、見直しは難しい」と難色を示した。
(赤川肇)
私立高校の入学者数が二〇一〇年度から六年連続で募集定員を二千人以上下回っていることが、県などのまとめで分かった。定員充足率はこの間、90%前後で推移し、公立高校の99%超と比べて極端に低い。90%と全国で最低水準の高校進学率(公私立の全日制)につながっているとの見方もあり、六日の県議会文教委員会で対策を求める意見が出た。
県内では公私立高校設置者会議が進路希望調査の結果を踏まえ、全日制の計画進学率を93%、公私立の定員配分比率を二対一と設定。生徒数は一九八八(昭和六十三)年をピークに減少傾向にあるが、計画進学率は九七年度入試以来、定員配分比率は八二年度入試以来、変わっていない。
定員配分比率をめぐっては、県の有識者会議が八一年に「急増急減期を通しておおむね二対一の比率が望ましい」と提言。関係者によると、背景には生徒数が急増していた昭和五十年代に公立高校の整備が追いつかず、私立側に受け入れを求めた「公私協調」の経緯がある。
一方、私立高の募集定員から入学者数を引いた欠員数は、二〇〇九年度入試の千六百九十八人(充足率92・1%)から、一四年度入試では二千三百四十七人(同89・8%)まで拡大。その年度の入試では十二月時点で中学卒業予定者の92・6%が全日制高校への進学を希望したのに実際は90%しか進学できなかった。
文教委で民主の富田昭雄議員(名東区)が「定員配分比率を見直すか、私立高に多く合格させてもらう必要があるのではないか」とただした。
設置者会議の構成員でもある野村道朗教育長は、私立高の欠員の高止まり傾向を認め、「成績の良い生徒を取りたいという経営上の思いがある」との見方を示した。その上で、「私立高にもっと受け入れてほしい」と答弁。しかし、具体策には言及せず、定員配分比率についても「これまでの経緯もあり、見直しは難しい」と難色を示した。
(赤川肇)