引用元:2015年10月03日 読売新聞
◇今だから話せるということあるかも
廿日市市の女子高生刺殺事件は5日で発生から11年を迎える。亡くなった北口聡美さん(当時17歳)の父・忠さん(58)が読売新聞の取材に応じ、「11年が経っても事件解決を願う気持ちは薄れることはない。どんなささいな情報でも寄せてほしい」と訴える。(松田祐哉)
「娘も生きていれば28歳。会社員として働いていたかも知れないし、結婚して子どもがいたかも知れない」。忠さんは、自宅の近くにある聡美さんの墓を土日に必ず訪れ、日々のことなどを語りかける。今でも、友人が花を供えに訪れる。
おっとりとした性格の聡美さんは、クラスメートに慕われていた。忠さんは自宅で、大学進学についての相談に乗っていた。「けんかもしたけど、明るくてみんなに好かれる子だった」と懐かしむ。
忠さんは事件が起きた翌年の2005年12月30日からブログ「SA・TO・MI~娘への想い~」(http://blog.goo.ne.jp/npo-friends)を開設し、情報提供を呼びかけている。今年は自身の思いや活動などをほぼ毎日書き込んでいる。「何を書こうか悩む時もある。でも毎日書くことで少しでも多くの人の目に触れ、情報を提供してもらえれば」と期待する。
事件から10年となる昨年10月5日は「一番嫌な日を迎えました 哀しい想いが続く私にとっては、言いようのない辛い日です」とつづった。今年も前日の4日に、廿日市市のショッピングセンターで、情報提供を呼びかけるチラシを配布する。「毎年10月が来なければいい、それが無理なら、5日が来ないでほしい」
今年8月、大阪府寝屋川市の中学1年生2人が遺体で見つかる事件が発生した。ブログに「親と別れる事になった本人が、一番辛く哀しいでしょうが残された家族や親友も、哀しい想いが一生続きます」とつづった。「子どもが犠牲になる事件が起きるとどうしても11年前のことを思い出してしまう」という。
メールでは毎年15~20件の情報が寄せられる。今年は既に20件の情報が寄せられた。忠さんは「今だから話せるということもあるかもしれない。情報の提供をためらっている人がいたら背中を押してほしい」と呼びかける。
情報提供は廿日市署(0829・31・0110)か忠さんのブログへ。
【廿日市市の女子高生刺殺事件】 2004年10月5日午後3時頃、県立廿日市高2年生だった聡美さんが、同市上平良の自宅離れに侵入した男に刃物で刺されて死亡した。男は聡美さんの祖母にも切りつけて重傷を負わせて逃げた。県警は男の似顔絵を公開し、9月28日現在で、延べ24万4525人の捜査員を投入し、4976件の情報が寄せられたが、解決に至っていない。
◇今も続く夜の見回り…聡美さん母校のPTAなど
北口聡美さんの母校・廿日市市立平良小と同市立七尾中のPTAは、事件直後から校区内の見回り活動を続けている。現在も月2回、教師やPTAのメンバー、児童、生徒ら10~20人が校区内を歩いて見回りを行う。6年前からは、県警OBでつくる「警友会」と廿日市署平良駐在所の警察官も参加するようになった。
約1時間かけて校区内を歩き、痴漢被害の多い地下道で安全を確認したり、コンビニでたむろしている少年らに帰宅を促したりする。
同小PTA会長の山本一樹さん(47)は「続けていくことに意味がある。少しでも地域の安全に貢献することができれば」と力を込める。
◇今だから話せるということあるかも
廿日市市の女子高生刺殺事件は5日で発生から11年を迎える。亡くなった北口聡美さん(当時17歳)の父・忠さん(58)が読売新聞の取材に応じ、「11年が経っても事件解決を願う気持ちは薄れることはない。どんなささいな情報でも寄せてほしい」と訴える。(松田祐哉)
「娘も生きていれば28歳。会社員として働いていたかも知れないし、結婚して子どもがいたかも知れない」。忠さんは、自宅の近くにある聡美さんの墓を土日に必ず訪れ、日々のことなどを語りかける。今でも、友人が花を供えに訪れる。
おっとりとした性格の聡美さんは、クラスメートに慕われていた。忠さんは自宅で、大学進学についての相談に乗っていた。「けんかもしたけど、明るくてみんなに好かれる子だった」と懐かしむ。
忠さんは事件が起きた翌年の2005年12月30日からブログ「SA・TO・MI~娘への想い~」(http://blog.goo.ne.jp/npo-friends)を開設し、情報提供を呼びかけている。今年は自身の思いや活動などをほぼ毎日書き込んでいる。「何を書こうか悩む時もある。でも毎日書くことで少しでも多くの人の目に触れ、情報を提供してもらえれば」と期待する。
事件から10年となる昨年10月5日は「一番嫌な日を迎えました 哀しい想いが続く私にとっては、言いようのない辛い日です」とつづった。今年も前日の4日に、廿日市市のショッピングセンターで、情報提供を呼びかけるチラシを配布する。「毎年10月が来なければいい、それが無理なら、5日が来ないでほしい」
今年8月、大阪府寝屋川市の中学1年生2人が遺体で見つかる事件が発生した。ブログに「親と別れる事になった本人が、一番辛く哀しいでしょうが残された家族や親友も、哀しい想いが一生続きます」とつづった。「子どもが犠牲になる事件が起きるとどうしても11年前のことを思い出してしまう」という。
メールでは毎年15~20件の情報が寄せられる。今年は既に20件の情報が寄せられた。忠さんは「今だから話せるということもあるかもしれない。情報の提供をためらっている人がいたら背中を押してほしい」と呼びかける。
情報提供は廿日市署(0829・31・0110)か忠さんのブログへ。
【廿日市市の女子高生刺殺事件】 2004年10月5日午後3時頃、県立廿日市高2年生だった聡美さんが、同市上平良の自宅離れに侵入した男に刃物で刺されて死亡した。男は聡美さんの祖母にも切りつけて重傷を負わせて逃げた。県警は男の似顔絵を公開し、9月28日現在で、延べ24万4525人の捜査員を投入し、4976件の情報が寄せられたが、解決に至っていない。
◇今も続く夜の見回り…聡美さん母校のPTAなど
北口聡美さんの母校・廿日市市立平良小と同市立七尾中のPTAは、事件直後から校区内の見回り活動を続けている。現在も月2回、教師やPTAのメンバー、児童、生徒ら10~20人が校区内を歩いて見回りを行う。6年前からは、県警OBでつくる「警友会」と廿日市署平良駐在所の警察官も参加するようになった。
約1時間かけて校区内を歩き、痴漢被害の多い地下道で安全を確認したり、コンビニでたむろしている少年らに帰宅を促したりする。
同小PTA会長の山本一樹さん(47)は「続けていくことに意味がある。少しでも地域の安全に貢献することができれば」と力を込める。