引用元:パピマミ
【ママからのご相談】
小学生になる子どもがいます。近所にうちの子と同じクラスのA君がいますが、彼はとても暴力的です。先日、子どもから学校の様子を聞くと、「A君が先生に“うるせーなー”と言って机を蹴り、すごく怒られてた」というのです。なんでも、授業中に遊んでいたA君を先生が注意したところ、「うるせーなー」と返したようなのです。自分が遊んでいたのに、悪びれるでもなく言い返すとはショックでした。小学生でも、こんな風に逆上する子どもは多いのでしょうか?
A 小学校での暴力行為は1万件超あります! 暴力行為の低年齢化が進んでいます。
ご相談ありがとうございます。教育コンサルタントの佐藤理香です。
同じクラスに暴力的な子がいると、何かと心配になりますよね。文部科学省の『児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査』によると、2014年度に全国の小学校で発生した暴力行為は1万1,468件にものぼることがわかりました。
過去最多となってしまい、ちょっとショッキングな数字です。小学生でもキレる子どもが多いことのあらわれです。本日は、小学生の暴力行為について、もう少し詳しくお伝えしたいと思います。
小学校での暴力行為の内訳
小学生がしてしまう暴力行為とはどんなものでしょうか? 調査では、暴力の内訳を以下のように発表しています(上位3つを抜粋)。
・児童間の暴力:7,113件
・教師への暴力:2,151件
・器物損壊:1,997件
目をひくのが“教師への暴力”。先生に対して、敬意を払うことができないばかりか、暴力に発展しているケースがこんなにもあるという現状です。
さらに、児童や教師など人に対する暴力では、被害者が病院で治療を受けるケースが1,000件超もありました。小学生でも、相手に負わせるダメージをコントロールできずに、病院送りにしてしまうケースもあるのです。
学年別の内訳
学年別にみると、高学年になるにつれて件数が多くなります。
・小1:621件
・小2:1,017件
・小3:1,316件
・小4:1,988件
・小5:2,649件
・小6:3,217件
特徴的なのは、学年別の統計を取り始めた2006年度と比較すると、小1が約5倍、小2が約4倍の件数になっていることです。つまり、小1や小2といった低学年での暴力行為が急増しているのです。これは、暴力行為が低年齢化していることのあらわれです。
小学生の暴力行為が増えている理由2つ
では、なぜこんな風に暴力行為が増えているのでしょうか? 一般論として、2点理由が考えられます。
(1)コミュニケーションがうまくとれない
核家族化が進行して、そもそも家族と話す機会が減っています。加えて、ゲーム機器、スマホなどのデジタル機器の普及により、一人でゲームに没頭したり、SNS上でのやりとりをしたりと、対面でのコミュニケーションの場が少なくなっているのです。
そのため、いざ対面でとなると、自分の言葉でうまく伝えることができずに、意思疎通に失敗し、つい手が出てしまう……ということになってしまうのです。
(2)感情のコントロール方法がわからない
今の子どもたちは過保護に育っているといわれることがあります。兄弟も少なくなってきていますし、地域とのつながりも希薄化しています。そのため、親以外の他人から注意される、叱られるといった経験も乏しくなり、感情をコントロールしなければならない場面自体が少なくなっているのです。
いかがでしたか?
小学生の暴力行為の多さに驚かれたことと思います。暴力行為は低年齢化しています。暴力をしてしまう子どもにはケアが必要です。スクールカウンセラーの配置など、小学校でも児童をケアするためにさまざまな試みがなされています。
暴力行為は、いじめや自殺など、深刻な問題にもつながる一因です。気になることがあれば、学校や管轄の教育委員会に確認してもよいかもしれませんね。
【参考リンク】
・平成26年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」について | 文部科学省(PDF)
●ライター/佐藤理香(教育コンサルタント)
【ママからのご相談】
小学生になる子どもがいます。近所にうちの子と同じクラスのA君がいますが、彼はとても暴力的です。先日、子どもから学校の様子を聞くと、「A君が先生に“うるせーなー”と言って机を蹴り、すごく怒られてた」というのです。なんでも、授業中に遊んでいたA君を先生が注意したところ、「うるせーなー」と返したようなのです。自分が遊んでいたのに、悪びれるでもなく言い返すとはショックでした。小学生でも、こんな風に逆上する子どもは多いのでしょうか?
A 小学校での暴力行為は1万件超あります! 暴力行為の低年齢化が進んでいます。
ご相談ありがとうございます。教育コンサルタントの佐藤理香です。
同じクラスに暴力的な子がいると、何かと心配になりますよね。文部科学省の『児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査』によると、2014年度に全国の小学校で発生した暴力行為は1万1,468件にものぼることがわかりました。
過去最多となってしまい、ちょっとショッキングな数字です。小学生でもキレる子どもが多いことのあらわれです。本日は、小学生の暴力行為について、もう少し詳しくお伝えしたいと思います。
小学校での暴力行為の内訳
小学生がしてしまう暴力行為とはどんなものでしょうか? 調査では、暴力の内訳を以下のように発表しています(上位3つを抜粋)。
・児童間の暴力:7,113件
・教師への暴力:2,151件
・器物損壊:1,997件
目をひくのが“教師への暴力”。先生に対して、敬意を払うことができないばかりか、暴力に発展しているケースがこんなにもあるという現状です。
さらに、児童や教師など人に対する暴力では、被害者が病院で治療を受けるケースが1,000件超もありました。小学生でも、相手に負わせるダメージをコントロールできずに、病院送りにしてしまうケースもあるのです。
学年別の内訳
学年別にみると、高学年になるにつれて件数が多くなります。
・小1:621件
・小2:1,017件
・小3:1,316件
・小4:1,988件
・小5:2,649件
・小6:3,217件
特徴的なのは、学年別の統計を取り始めた2006年度と比較すると、小1が約5倍、小2が約4倍の件数になっていることです。つまり、小1や小2といった低学年での暴力行為が急増しているのです。これは、暴力行為が低年齢化していることのあらわれです。
小学生の暴力行為が増えている理由2つ
では、なぜこんな風に暴力行為が増えているのでしょうか? 一般論として、2点理由が考えられます。
(1)コミュニケーションがうまくとれない
核家族化が進行して、そもそも家族と話す機会が減っています。加えて、ゲーム機器、スマホなどのデジタル機器の普及により、一人でゲームに没頭したり、SNS上でのやりとりをしたりと、対面でのコミュニケーションの場が少なくなっているのです。
そのため、いざ対面でとなると、自分の言葉でうまく伝えることができずに、意思疎通に失敗し、つい手が出てしまう……ということになってしまうのです。
(2)感情のコントロール方法がわからない
今の子どもたちは過保護に育っているといわれることがあります。兄弟も少なくなってきていますし、地域とのつながりも希薄化しています。そのため、親以外の他人から注意される、叱られるといった経験も乏しくなり、感情をコントロールしなければならない場面自体が少なくなっているのです。
いかがでしたか?
小学生の暴力行為の多さに驚かれたことと思います。暴力行為は低年齢化しています。暴力をしてしまう子どもにはケアが必要です。スクールカウンセラーの配置など、小学校でも児童をケアするためにさまざまな試みがなされています。
暴力行為は、いじめや自殺など、深刻な問題にもつながる一因です。気になることがあれば、学校や管轄の教育委員会に確認してもよいかもしれませんね。
【参考リンク】
・平成26年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」について | 文部科学省(PDF)
●ライター/佐藤理香(教育コンサルタント)