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引用元:2015年9月23日 日刊ゲンダイ

  あまりの残虐さに誰もが言葉を失った川崎市の中1リンチ殺害事件。主犯格の18歳少年Aたちは2月、多摩川の河川敷で上村遼太くん(当時13)の手足を縛り、カッターナイフで首を切りつけて惨殺した。

 あれから7カ月。改めて現場を歩いてみた。

 市内住宅街の一角にあるAの自宅を訪ねると、高齢女性が郵便物を取りに外に出てきた。「Aのおばあさんですか?」と尋ねると、「そうです」と困惑顔。

「Aとは(事件後)話をしていないんです……詳しいことは息子(Aの父親)に聞いてもらえませんか。今は仕事でいませんが」と家の中に入ろうとする祖母を呼び止めようとしたら、いきなり玄関ドアがバンと開き、「オカアサン、早ク中ニ入ッテ!」。

 片言の日本語で話す中年女性は、制止するように手のひらを向けながら「何モ話スコトハデキマセン!」とドアを閉めてしまった。Aの母親のようだ。近隣住民が言う。

(Aの家族は)普通に生活していますよ。最近も、仲良さそうに夫婦で買い物に出かける姿を見かけました。事件直後はマスコミが大挙して押し寄せ、大騒ぎだったので、そのうち引っ越すかなと思っていましたが……」

 遼太くんが殺害された河川敷には、その名残を感じさせるものはなかった。事件後、手向けられた花束も一切ない。辺りは雑草が生い茂っている。

〈お知らせ〉と書かれた立て看板には、こう記されていた。

〈御遺族からのお気持ちをお伺いいたしましたこともあり、(川崎)市として6月30日を目処に、現場周辺の献花、供物等の一切を整理させていただくことにしました〉

 ボランティアで現場を整理している橘内達夫さん(74)が言う。

「遼太君のお母さんは、お供え物を見るとどうしても当時を思い出してしまうようです。私の孫は遼太君と同級生でした。残念でなりません」

 被害者遺族の心が癒える日は、まだ遠い。