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引用元:毎日新聞 2015年09月13日

 ◇出版社前社長・西尾琢郎さん(48)

 横浜市教育委員会が6年ぶりに募集した市立校の「民間人校長」の選考が終了し、教育系の出版社「リンカーベル」前社長の西尾琢郎さん(48)を採用予定者に決定した。6年ぶりの募集再開は対象年齢を引き上げ、半年間副校長として研修を受けてもらうなど、教育現場の声を反映して受け入れ態勢を強化したことによる。市教委は教育ニーズの多様化などで新しい視点、価値観が学校経営に反映されることに期待を寄せる。【水戸健一】

 市教委によると、西尾さんは出版社で児童図書の編集者を務めた後、広告代理店などに勤務。再び出版社に戻り、ICT(情報通信技術)教育の実践事例などを取材して教材や教育書の製作に携わった。「熱意や使命感に加え、行動力がある」点が評価された。市教委は「教育に関する豊富な知識や幅広い人的ネットワークがあり、先進的な学校教育の推進力になる」と期待する。10月1日付で副校長、研修後の来年4月1日付で校長に就任する。

 市教委は2004年度に民間人校長の採用を開始。09年度までに9人を採用し、現在、2小学校、4中学校、1高校で7人が校長を務めている。一方、教育の経験のない民間人校長の受け入れで、難色を示す声が現場にあったことなどから、10年度以降は採用を見送っていた。

 再開にあたって、受験者の年齢を「40〜59歳」から「49〜59歳」に引き上げ、募集要項を改定。また20日間の研修のみで、すぐに校長として採用される仕組みを改め、まず副校長として採用し、半年間、経験を積む機会を設けた。今回の採用試験は受験者が94人、最終合格者が2人(1人は自己都合で辞退)。47倍の高倍率だったという。

 ◇全国に108人 昨年4月

 2000年の学校教育法施行規則の改正によって、教員免許を持たず、教育に関する職についたことがなくても、企業などで経験を積んだ民間人が学校の校長を務められるようになった。東京都杉並区立中学の校長として03年からの5年間、補習の充実を図ったり、授業に地域の人たちを呼んで話を聞くなどする「よのなか」科を展開したりした藤原和博さん(元リクルート)が有名だ。

 文部科学省によると、14年4月1日時点の全国の民間人校長は前年同期比18人増の108人。内訳は小学校が49人、中学校が12人、高校が37人−−などとなっている。

 都道府県、政令市別でみると、大阪府が29人、大阪市が22人と突出して多い。横浜市は大分県と並んで9人と続いた。神奈川県も8人とほかに比べて多かった。