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引用元:毎日新聞 2015年09月03日

 福岡教育大学(福岡県宗像市)が、九州・沖縄8県の高校卒業者で、大卒後に出身県に戻って小学校教員になることを目指す人を対象にした「Uターン推薦枠」を来年度入試から設ける。募集定員は43人で、内訳は福岡県内の高校卒業者は26人程度、その他の7県から各2〜3人程度とする。文部科学省によると、複数の県にまたがって推薦枠を設けるのは珍しいという。

 入学試験では学力試験は免除する。小論文と面接に加えて、成績や協調性などを高校の推薦書や調査書から判断して合否を決める。推薦枠での入学希望者には、出身県の小学校教員として山間部や離島などを含む地域で積極的に勤務する意欲を特に重視する。

 文部科学省が13年にまとめた資料によると、全国の公立学校教員の約40%が50歳以上で、近く定年に伴う大量退職が見込まれている。Uターン推薦枠開設には予想される教師不足に備え、目的意識のしっかりした教員志望者を確保したいという同大の狙いもある。

 同大の宮内健二副学長によると、都道府県や政令市が実施する小学校教員採用試験で競争率が3倍以上あることが優秀な教員確保のひとつの目安。13年度実施の小学校教員競争率は福岡県や大分県では3・7倍だったが、北九州市は近年3倍を切っている。そのため、同市出身者には同市限定で戻ることを求めていくという。

 同大の取り組みに対し、北九州市教委は「地元を目指す教員志望者を増やし、競争率を3倍以上にしたい」と関心を寄せ、離島などを抱える熊本県教委は「県内どこでも行くという思いが強い若い人が育つのはありがたい」と期待する。

 同大は地域貢献への思いを込めて、このUターン推薦枠を「地域創生推薦入試」と名付けた。宮内副学長は「小学校は地域の核だ。過疎など苦しい地域をもり立てる元気な先生を育てたい」と話している。【祝部幹雄】