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引用元:2015年7月29日 7:13 琉球新報

 自衛官の募集業務で自衛隊沖縄地方協力本部はことしから、県内の男子中学3年生のいる家庭に自衛官募集の案内封書を郵送などで直接届ける取り組みを始めた。安全保障関連法案が国会で議論され「徴兵制につながる」との不安も募る中、保護者から「働き掛けを強化する動きに見える。違和感がある」と疑問や懸念の声が上がった。

 自衛隊沖縄地方協力本部石垣出張所によると、従来は陸上自衛隊高等工科学校に進める男子中学3年生の人数分の案内封書を、各中学校に送って保護者に渡るようにしていたが、住民基本台帳から対象者の住所を調べることができることが分かったとして、ことしから郵送したり郵便受けに直接投函(とうかん)したりすることにしたという。

 封書が届いた石垣市内の保護者は「どこで個人情報を得たのか。家庭を回って届けるのも勧誘のよう。その他の公務員でこのような募集はないはずだ。看板掲示や広告だけで十分。高校生だけでなく中学生も直接呼び込むのは疑問だ」と指摘し「安保法制成立に向けた準備のように感じる。不安が強くなった」と話した。

 石垣出張所は住民基本台帳法に基づき、16~17歳の男性が対象の陸自高等工科学校を案内するためとして住民基本台帳を閲覧し、個人情報を入手した。

 自衛隊沖縄地方協力本部は「沖縄は他府県に比べ高等工科への認知が低い。他府県では自衛隊の説明会の依頼も来るが、沖縄はないため広報活動に力を入れることにした」と説明した。その上で「安保法制との関係はない」と話した。郵送は保護者宛てで、直接対象者宅に訪れ届けることにも「問題はない」(石垣出張所)としている。