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引用元:2015年10月10日 東京新聞Web

 学校での組み体操事故が問題となる中で、千葉県内の市立中学三年生の男子生徒(15)が九月上旬、組み体操の練習中に落下し、右脚太ももを骨折して一カ月が経過した現在も入院している。全国の小中高校では年間約八千五百件以上の組み体操事故が起きており、男子生徒は「組み体操の危険性を知ってほしい」と訴える。 (細川暁子)

 「グラグラと地震のように揺れた後、落ちた。死ぬかと思った」。九月上旬の体育祭の練習を男子生徒はこう振り返った。男子生徒がいたのは、四つんばいの人間十五人が下から順番に積み上がっていく「ピラミッド」の五段のうち四段目。下の段の生徒がバランスを崩して全体が揺れ、高さ約二・五メートルから後方に落ちた。体の右太ももを地面に打ち付けて骨折。同県の松戸市立病院で手術を受けた。

 「組み体操を怖いという生徒は他にもいたけど、先生が熱心で口に出せなかった。けがが続くなら、やめた方がいいと思う」と男子生徒。母親(44)によると、事故翌日の体育祭では男子生徒抜きで組み体操が披露されたといい、「組み体操は体育祭の見せ場だから、中止にならなかったのでは」と話す。

 同病院救命救急センター長の庄古(しょうこ)知久医師(48)によると、ここ数年、同センターには年に五~六人の子どもが組み体操で重傷を負い、搬送されている。

 今年五月には、千葉県内の市立小学六年生の男児が肩を組んだ人間の上に立つ「タワー」の最上段の三段目から落下。頭と腹を強く打って頭蓋内で出血し、開頭手術で一命を取り留めた。

 運動会や体育祭が続いた同月は、頭蓋骨骨折の中学生など計四人が組み体操事故で搬送されたという。

 「日本スポーツ振興センター」によると、組み体操中の事故は、二〇一三年度に小学校で六千三百四十九件、中学校で千八百六十九件、高校で三百四十三件が発生している。小学校の種目別では跳び箱、バスケットボール、サッカー・フットサルに次いで四番目に事故が多い。

 大阪府八尾市の市立中学校では九月下旬、十段のピラミッドが崩壊。六人が重軽傷を負い、巨大化する組み体操が問題視された。