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引用元:毎日新聞 2015年10月09日 地方版

 館山市で7年前に中学2年の男子生徒が自殺した問題を巡り、石井敏宏市議が市教委を批判する議会報告を配布したところ、市教委が榎本祐三議長宛てに抗議文書を提出したことが分かった。市教委は「議会の責任者に送った」と説明するが、石井市議は「なぜ本人に直接反論しないのか」と反発している。

 市教委が問題にしたのは石井市議の後援会が発行した「館山市政かわら版」。石井市議は男子生徒の自殺について「いじめとの関連性が当初から疑われましたが、学校と教育委員会が『隠ぺい』した事件です」と書いた。

 出山裕之教育長によると、文書が新聞に折り込まれた9月3日に5人の教育委員が電話で対応を協議。「議会での石井議員の質問に対して隠蔽(いんぺい)を明確に否定している。事実無根の内容を広報したことは誤解を招きかねない」として議長宛てに公文書で抗議することにしたという。榎本議長は、石井市議と同じ会派「たてやま21・緑風会」に所属している。

 抗議文を受けた榎本議長は議会運営委員会で扱いを協議。議運委は石井市議に「広報の表現には十分留意する必要がある」と注意を促した。これに対し石井市議は「市教委の対応は子供のけんかを親に言い付けるみたいな発想」と批判。訂正と謝罪を拒否し、半澤美緒子教育委員長に「公開の議論」を求めている。

 男子生徒の自殺を巡っては、直後に学校が実施した生徒アンケートの原本が廃棄されたほか、3年前に再実施したアンケートでも「死ねと言われていた」という記述が公表されないなど、市教委の不手際が明らかになっている。遺族の反発を受け市長部局はいじめとの関連を調べる「第三者委員会」を設置する準備を進めている。【中島章隆】