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引用元:紀伊民報

 県教育委員会が2013年、紀北の小学校男性教諭に行った懲戒免職処分を、県人事委員会が今年7月、停職3カ月に修正した。教諭からの不服申し立てを受けて再審議した結果である。

 教諭は11年、指導者として参加していたスポーツクラブで、就寝時間の見回り中、男子小学生(当時)の体を触ったとされる。

 処分の軽重を左右する「わいせつの意図」について、県教委は当該教委から提出された内申を基に「あり」と判断していた。ところが人事委は、書面審理のほかに教諭側、県教委側を呼んで口頭審理を実施。「わいせつの意図があったとは断定できない」などとして処分を軽減した。

 これについて、県教委は「修正は受け入れざるを得ないが、判定は遺憾。当時から、詳細に事実を確認しており、県教委や文部科学省の指針に基づいて適切に下した処分だった」と主張している。

 しかし人事委は、判定書で県教委が直接、当事者から事情聴取できていないことを指摘。取材に対しても「懲戒免職や内心の意図が争点になる場合などは、慎重に対応してほしい」と答えた。

 この問題は、県議会の文教委員会でも取り上げられ、文教委として、県教委に「処分の在り方の精度」を高めるよう提言した。

 法律によると、市町村教職員を任免する場合、都道府県教委は市町村教委からの内申を受けることになっている。ただし、都道府県教委が直接聴取する点は定めはなく、県教委はこれまで実施したことはないという。

 しかし今回の事案は、本人の内心を客観的にどう判断するかが難しいケースだった。実際、判断材料となる行為の詳細や動機など、さまざまな点で当事者と県教委の言い分が食い違った。その結果、人事委は懲戒免職処分を停職3カ月に軽減した。県教委の処分を半ば否定したのである。

 それでも、県教委は「市町村教委の内申を基にする原則は何も変わらない。提言は謙虚に受け止めるが、これまで通り、慎重に判断するとしかいえない」という。

 それでいいのか。県教委が決めた懲戒免職処分が人事委で覆されたことは事実である。「謙虚に提言を受け止める」というのなら、今後、間違いが起きないように改善策を示すのが当たり前ではないか。その改善策を示さないままで、文教委が提言する「精度」は高まるのか。

 教員が懲戒免職になれば、身分が剥奪され、退職金も出ない。被処分者の人生が大きく変わるし、児童生徒への影響も大きい。だからこそ、処分には慎重の上にも慎重な判断が求められる。

 文科省によると、都道府県によっては、懲戒免職にする場合、当事者に直接弁明する機会を設ける所もあるという。せめてそれぐらいの対応が必要ではないか。

 任命権者の責任を自覚することが求められる。処分をする以上、せめて人事委を納得させるだけの理由が必要だ。 (K)