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引用元:毎日新聞 2015年08月21日 10時00分

 ◇塾側、事前に模試一部を受験生33人に解かせる

 首都圏の私立高の少なくとも5校が昨年の入試の1カ月以上前、大手学習塾が実施した模擬試験(模試)の結果を基に、一部の受験生の合格を事実上確約していたことが分かった。文部科学省は入学者選抜での模試の利用を禁じており、これに違反する疑いがある。塾側は模試の一部を受験生33人に事前に解かせていたことも判明。関係者は「入試の公平性が揺らぎかねない」と批判している。【藤田剛、大久保昂、田口雅士】

 この模試は、全国展開する大手学習塾が主催し2013年10月、関東と中部の約20カ所の塾教室で行われ、当時中学3年でこの塾に通う受験生ら約2000人が受けた。

 塾関係者や内部資料によると、模試から1〜2カ月後、その結果を塾側から渡された東京都内の私立高4校と埼玉県内の私立高1校が、模試の成績に基づき、一部の受験生に優遇措置を適用することを伝えたという。

 この優遇措置は「併願優遇」と呼ばれ、主に公立高を第1志望にする受験生が滑り止めとして私立高を併願受験する際、「公立高に不合格だった場合は必ず進学する」ことを前提として合否判定で優遇される制度で、都内の私立高などが導入している。中学の成績(内申点)が一定の基準を満たせば出願時点で合格がほぼ保証されるが、私学団体の「東京私立中学高等学校協会」はその判断基準を中学の内申点に限り、模試を使わないよう申し合わせている。

 しかし、塾の内部資料には「内申が基準に満たない場合でも、模試の成績などをもとに『併願優遇扱い』を約束してくれる高校がある」と明記され、具体的な高校名を列記。5校の入試は埼玉で14年1月、東京で同2月に行われたが、当時の塾講師は「生徒は13年12月には合格の確約をもらったと喜んでいた」と証言した。塾の内部資料にも13年12月の会議で「(高校から)併願優遇はちゃんと出しますというふうな返事をもらった」などの発言が記されている。

 これらに先立ち模試の前日と2日前、塾講師の1人は東京・池袋の教室に通う受験生33人に、模試の英語問題の一部を解かせ、解答を配っていた。塾関係者によると、模擬試験後に問題が同じと気付いた受験生が、不正を疑われて受験で不利になることを懸念し、講師に抗議。塾は33人に模試の再試験を別問題で行い、5校にも経緯を説明したという。

 塾関係者によると、私立高に受験生の名簿や模試の成績を示して合格の内諾を得ることは10年以上前から続いているという。塾の広報担当者は「生徒の要請に基づき高校に提供した」とし、「あくまで出願の際の参考資料。模試の成績だけで合否判定されるとは認識していない」と回答。模試の問題を事前に解かせたことについては「過去問題と誤った」と説明した。5校のうち2校は取材を拒否し、3校は「模試の成績で合否を決めることはない」としたが、このうち1校の校長は「塾とは持ちつ持たれつだ」とも語った。

 ◇模擬試験を巡る文部省(現文部科学省)通知

 1990年代、中学が授業中に模擬試験(業者テスト)を行い、その結果を基に生徒の進学先を高校側と相談していたことが「青田買い」などと問題化。当時の文部省は93年、「業者テストの結果を資料として用いた入学者の選抜が行われることがあってはならない」と全国に通知した。