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引用元:2015年8月2日5時0分 スポーツ報知

 7月31日に北海道苫小牧市沖を航行中に火災事故が発生したカーフェリー「さんふらわあだいせつ」(茨城・大洗発苫小牧行き、1万1401トン)に、東京六大学リーグ・東大野球部の北海道合宿用用具を載せた車両が積まれていることが1日、スポーツ報知の取材で分かった。燃えてしまったかどうかも含めて確認できず、別ルートで到着した部員たちは不安の中、現地で用具を調達するなど対応に追われた。運搬役で乗船し、救助された野球部副務の中川弘毅さん(3年)は、事故当時の恐怖を語った。

 監督らは飛行機で 今年の春季リーグで1694日ぶりに勝利。94連敗(2分けを挟む)をストップさせ、秋季リーグに向けて夏の合宿に臨もうとしていた東大野球部を、思わぬアクシデントが襲った。

 チーム関係者によると、夏期合宿は1~10日まで北海道・室蘭市の室蘭新日鉄住金球場で実施予定。それに合わせ、フェリーには、中川さんがワゴン車を1人で運転して乗船した。試合用のユニホームや、バット約100本、ボール約600個、スパイク、ヘルメットなど、合宿で使用する用具を積み込み、現地に前乗りをする予定だったという。

 中川さんを含めた乗客71人は全員救助(乗員1人が行方不明)されたが、消火作業は海上で行われており、車両など積み荷は接岸しないと降ろすことができないため、用具は船内に残されたまま。しかも、出火から丸1日が経過しても鎮火はしておらず、焼失している可能性も否定できない。

 浜田一志監督や選手35人は1日、飛行機で現地入り。当初は、この日は移動のみの予定だったが、用具が届かなくなってしまったため調達作業に追われた。スパイクやバットなどは地元のスポーツ用品店で購入。ボールなどは合宿先の球場をホームとする社会人チーム「室蘭シャークス」の厚意で借りることができたという。

 問題はユニホーム。8日に予定しているシャークスとのオープン戦は練習用のウェアで戦っても差し支えないが、合宿直後に東北遠征が控える。11~13日まで宮城県で「全国七大学総合体育大会」が開催。試合用ユニホームも、このために持参していた。運行会社の商船三井フェリーによると、船を近くの港にえい航できるのは3日未明以降。選手たちは用具が無事であることを祈りつつ、心配を押し殺して合宿に参加することとなりそうだ。

  ◆中川さん緊迫船内語る◆「何度か爆発音が響き、船が大きく揺れました」。運搬役で火災に遭遇した中川さんは振り返った。「ボヤかな」。7月31日午後5時15分の火災発生時、船室で寝ており「火事です。ロビーに集まってください」との放送を聞いた時はそう思ったという。だが、手渡されたのは救命胴衣。緊急事態であることを悟った。

 上部甲板で目に入ってきたのは、船の後方から上がる黒煙。身の回りの貴重品のみ持ち出すのを許された。「携帯と財布、部費を管理していたので、それだけはと思って」。パソコン、カメラは船内に置いたままだ。

 船から垂らされた約12メートルの脱出用シューターで真下に下り、約20人の乗客とともに海上の救命いかだの上で1時間ほど待った。「泣き出す人もいたし、船酔いする人も。洋服もぬれ、救助後、ようやく浴衣に着替えられました」。他の船に救助され、衛星電話でチームに無事を伝えた。

 苫小牧港上陸後、フェリー会社が用意した宿に入ったのは深夜2時過ぎ。仮眠を取り、この日午後4時には室蘭の合宿所入りした。「監督とナインからは『よく生きてたな』と声をかけられましたね」。長い一夜を過ごし、仲間たちの言葉に、ようやく落ち着きを取り戻したという。

 【冷凍機付きトラックが出火原因か】フェリー「さんふらわあだいせつ」の火災で、運航会社の「商船三井フェリー」(東京)は1日、火元付近に冷凍機付きトラックが積まれ船から給電を受けており、出火原因になった可能性があると明らかにした。火元付近にあった冷凍機付きトラックは3、4台。積み荷の冷凍食品などの品質を保つため、航海中は船からケーブルで給電し、冷凍機の運転を続ける。火災発見前は7月31日午後4時前後に巡回したが、異常は見つからなかったという。

 第1管区海上保安本部(小樽)は1日、消火活動を続けたが、出火から丸1日が経過しても鎮火しなかった。上部のデッキには室温が約60度に達している部分もあり、放水で冷却した。

 行方不明の2等航海士・織田邦彦さん(44)=広島県東広島市=の捜索も続けられたが、見つからなかった。