ブログネタ
日々の出来事 4 に参加中!
88b4a4f4997242718463338cf7615dcc_s
引用元:2015.7.27 22:11 産経ニュース

 文部科学省が27日にまとめた学校現場の業務軽減に向けたガイドラインには、全国の教育現場で成果のあった事例が紹介された。日本の教員は国際調査でも多忙さが突出しているのが現状。教員がいじめ撲滅や学力向上などの教育課題に本格的に向き合うためにも、文科省と教委、学校が一体となった職場環境の改善が求められている。

 文科省ではこれまでも、教員の負担軽減のため全国全ての学校に求めてきた定期調査数を、平成18年度の年間23件から今年度は8件にまで縮減。今回の文科省調査で改めて、学校現場にとって国や教委からの調査の対応が最大の負担であることが裏付けられた格好だ。

 経済協力開発機構(OECD)が26(2014)年に公表した国際教員指導環境調査(TALIS=タリス)によると、日本の教員の仕事時間は1週間に53・9時間(参加国平均38・3時間)と調査参加国で最長。

 本来業務である授業時間は17・7時間と参加国平均(19・3時間)を下回る一方、事務業務が5・5時間で平均(2・9時間)を上回る。この“逆転現象”が教員に負担感を抱かせる一因ともなっている。

 文科省が示したガイドラインには組織改革や校務効率化などの課題ごとに、各地の教委で成果の確認された対策が紹介され、問題を抱える教委や学校が参考にできるようになっている。

 広島県教委は「教員が子供と向き合う時間の余裕がなくなっている」と問題視。対策として23年以降、教員が子供たちの学習状況などを記録する「指導要録」の情報通信技術(ICT)化による効率化を支援し、学校側でも教材共有などを進めた。結果をモデル校で検証したところ、「子供と向き合う時間が増えた」と感じる教員が導入前の60%から72%に増えた。

 新潟市教委では、事務職員の役割を強化、学校運営に関われるよう改革を実施し、教員の事務作業量の削減につながった。その結果、放課後に子供と接する時間を1週間に5時間以上確保できる教員が26%(22年度)から64%(25年度)に急増した。