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引用元:2015年7月26日11時07分 朝日新聞デジタル

 佳境を迎えた第97回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催)の地方大会。地方によって異なるが、ベンチ入り出来る選手は18人か20人。その選手を監督ではなく、投票や話し合いなど生徒たちで決めている学校が増えている。「昔ながらの上意下達では生徒は納得しない」といった背景があるようだ。

 大阪大会に出場する180校に朝日新聞がアンケートを実施したところ、ベンチ入り出来る20人を超える部員がいる141校のうち、約2割の27校が「選手の全員または一部を生徒が決めた」と答えた。「部員の視点を入れることで、まとまったチームになる」(池田)、「教諭の見えない所で頑張る生徒を入れたい」(城東工科)、「全員が納得する選出にしたい」(八尾翠翔)――などの理由だ。

 山本(大阪府八尾市)は20人全員を、部員と監督の投票で決めた。部員は学年数と同じ1~3ポイント、監督は5ポイントを持ち、各背番号ごとに最高ポイントを得た部員がその背番号をつける。8年前に始めた真島幸史監督(47)は「自主性を重んじ、グラウンドでも自分で考えるプレーをしてもらいたい」と話す。背番号2の赤井優介君(3年)は「仲間に必要とされる選手になろうと努力した」。

 自分たちでベンチ入り選手を決める学校は、全国の強豪校でもみられる。

 春夏の甲子園で優勝2回の常総学院(茨城県土浦市)は、茨城大会に出場する20人のうち、最後の1人を部員投票で選ぶ。佐々木力監督(49)が4年前に就任してから始めた。基準は、チームに貢献し、最も尊敬できる部員。

 全国から集まった野球部員103人が背番号を争う。「部員のやる気をそがないよう、『特別枠』を設けた」と佐々木監督。周囲からは「実力で選ぶべきだ」との声もあるが、「練習のサポートや応援など、チーム全体で勝ちに行く力が強まった」と感じる。

 「がばい旋風」で2007年夏に全国制覇した佐賀北(佐賀市)も、佐賀大会の20人のうち18人を2、3年生の投票で選んだ。百崎敏克監督(59)が約20年前に前任校で始めた。監督が選んでチームをつくるのではなく、選手に選ばせてチームをつくらせたかった。

 投票では学校での生活態度なども加味させている。背番号7の藤瀬雄貴君(2年)は「一緒に練習している仲間から選ばれたという自覚が出た」と振り返る。下山勝也部長(51)は「上意下達がまかり通った昔と違い、現代は選手に納得させることが求められる。選手投票は今風の手法」と話す。

■生徒の自立を促す効果あり

 教育評論家の尾木直樹さんの話 チーム作りを部員たちに考えさせることは、生徒の自立を促す教育的効果があり大歓迎。教育の重点が集団主義から個人の尊重に移り、自分たちで考え選択させるようになった時代の変化を受けてのことだろう。選手自らが相手校を分析したり技術を盗んだりする力がつく上、選手のメンタル面にも良い影響を及ぼす。LINEなどのコミュニケーション手段の発達で、部員同士のつながりは強まっており、監督が作るチームよりも連帯感のあるチームができると思う。そうした手法は今後も、確実に広がっていくだろう。