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引用元:2015/6/13 16:00 dot.

 この1年ほど「子どもの将来は親が決める」といった論調が強まっている。『中学受験は親が9割』『親の「その一言」がわが子の将来を決める』『成功する子の親 失敗する子の親』『伸びる子の9割は、「親の口グセ」で決まる』。相次いで出版される本のタイトルは、まるで脅しだ。

 武蔵大学の千田有紀教授(家族社会学)は、今の親たちは「親のAO入試」にさらされているという。かつては「東大」を頂点とするわかりやすいヒエラルキーがあった。しかし今は、学歴だけでなく、さまざまな力をつけさせなければならない。

「個性をもった子どもを育てるには、親自身も個性を発揮しなければならない。親たちは自分が試されていると感じています」

 そんなプレッシャーから、親たちは、情報が集まり、教育の質も高い「最良の環境」を求めて集まってくる。同じような思考様式や振る舞いをする集団に身を置くことで、親として自分が劣っていないかも確認する。それを地域別にまとめ、考察してみた。

 文京区の茗荷谷駅付近は、「お茶の水女子大学附属小学校」「筑波大学附属小学校」など名門国立小学校が多く、「教育」でスーパーを目指す親が集まりやすい。小学校受験に詳しい「伸芽会」教育研究所主席研究員の佐藤眞理さんが言う。

「国立小学校は受験資格として『指定通学区域居住』や『23区内居住』などの制限があり、レベルの高い国立にどうしても入学させたいと思う親御さんは、無理なく通学できる学校の近くにご自宅を購入なさる方もいらっしゃいます」

 目黒区の自由が丘、八雲周辺も「お受験組」のホットスポット。東京都目黒区の私立保育園「駒沢の森こども園」を経営し、ママたちの世界に詳しい角川慶子さんは、その理由をこう話す。

「いわゆる『お受験幼稚園』が多いんです。田園調布にある名門『小さき花の幼稚園』をはじめ、慶應幼稚舎に強い『上野毛幼稚園』や芸能人のお子さんも多く通う『若草幼稚園』など選択肢が多いので、子どものカラーに合わせられます。近くには、国立の『東京学芸大学附属世田谷小学校』があるので、私立と併願するために住む人もいます」

 あくせく働く必要のない「不労所得でラクラク型」が集うのは、港区の青山、赤坂、麻布周辺や大田区の田園調布周辺。高級物件を多く扱う「表参道不動産」の加瀬恵子さんが言う。

「3A(青山、赤坂、麻布)は新築の大規模マンションが少なく、富裕層が住みたがる100平米超の物件はあまり出ません。そのため、成り上がりのIT長者のような人は少なく、先祖代々お金持ちという人たちが独自のコミュニティーを形成しています。一流ディベロッパーが造った低層階でワンフロアが広いマンションを好む方が多いですね」

 同じ富裕層でも、渋谷区の代々木上原や恵比寿、世田谷区の二子玉川などはエリートサラリーマンや医者など“自力派”が新たなハイソサエティーを構築。都心ではないが、中央線沿線の国立駅周辺は、ナチュラル志向で、昼間にペットを連れてカフェでお茶をし、広いガレージで夫婦それぞれの車を2台所有する、といったライフスタイルが王道だという。

※AERA 2015年6月8日号より抜粋