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福井大学准教授の院生殺害事件の影響が思わぬところに出ています。
引用元:福井新聞

 福井県勝山市が小中学校などで進めている環境教育が正念場を迎えている。教え子の女子大学院生を絞殺したとして逮捕、起訴された元福井大大学院特命准教授の前園泰徳被告が、2011年度から市環境保全推進コーディネーターを務めるなど、深く関与していたからだ。市は今後、前園被告なしでのかじ取りを迫られるが、事件にとらわれることなく、次代を担う子どもたちのために前進させていくことが必要だ。

  同被告と市との接点は、市の教育関係者が5年前に県外で開かれた日本環境教育学会で見かけ、関心を示したのがきっかけだった。学会の2カ月後、市内小中学校教諭を対象にした研修会に講師として招かれた同被告は、勝山に残っている自然の豊かさと保全の必要性を強調。これが環境教育への取り組みの出発点となったという。

 同被告は赤トンボの研究者として名をはせた。11年夏に市内の小学校などと共同で、国内で初めて赤トンボが平野部から山間地へと移動して夏を過ごす生態を確認。12年に同市で開かれた環境自治体会議では同被告の指導の下、市内の小中学生が希少な動植物の保全活動について発表し、地域を変える行動を大人にも呼び掛けた。市の「赤とんぼと共に生きるプロジェクト」でも中心的存在だっただけに、事件の影響に不安を抱いた関係者も多かったに違いない。

 市は環境教育をさらに発展させるため13年度からESD(持続可能な開発のための教育)を推進。同被告は環境分野を通してESDを引っ張った。市内の公立全12小中学校は昨年、地球規模の諸問題に持続して取り組む人材の育成を目指し、ESDの推進拠点として位置付ける「ユネスコスクール」に加盟した。将来への道筋が見えてきたところで衝撃が走った。

 事件を受け山岸正裕市長は、4月の記者会見で「市の基本政策として環境教育をやめることは全く考えていない」といち早く継続方針を表明した点は評価できる。梅田幸重教育長も各学校でESDをリードしてきた教諭と協議し、十分な土台ができていると判断した。赤トンボに関する活動についても、子どもたちの体験を通して推進する意向を示している。

  同被告がいた福井大と13年に協定を結んで共同研究していたESDプログラムの開発は、本年度は停止される見込みだがマイナス面ばかりではない。教員がこれまでに蓄積した専門知識を生かし、より地域に密着した課題に取り組む機会を得たともいえる。勝山の原風景を守り伝えていく心をどう育てるのか。環境教育に教科書はない。頭を切り替え取り組んでいきたい。